亡き妻に花を。「ありがとう」を伝えたい。
私の現役時代はワガママでした。男は働き、女はそれを支えることが当たり前。黙って私の後ろをついて来い。子育てもしない、家事もしない。全ては妻にお任せ。
「定年後は旅行がしたい」
妻のそんな言葉に、夫婦2人で過ごす暖かな定年生活を夢見ていた私でした。
定年退職を1年後に控えたある日。
妻はたった一人で亡くなっていた。冷たい家の中で一人。
少し具合が悪いと言っていた妻の言葉を、それほど真剣に聞かずに仕事に出かけ、戻ってきた時の出来事でした。
私はそれほど仕事が大切だったのか?
反省したし、後悔しました。もっと、もっと大切にするべきでした。
気がつくのが遅いとはこのことです。
何もしてあげられなかった。
苦労だけかけて、我慢ばかりさせて、幸せな思いは何もさせてあげられなかった気がします。「定年退職後に幸せな時間を過ごそう」という先送りな気持ちがどこかにあったのかも知れません。大切なのは「今」なのに・・・。
今日は、そんな妻に感謝を伝えようと、花を買いました。そんなに豪華な花束は買えませんが、精一杯の気持ちを表す為に。